浅口市議会は今日最終日を迎え、委員長報告、議員の討論採決が行れ、すべての議案は原案どおり可決しました。議員発議の「浅口市議会議員定数条例及び浅口市市議会議員の議員報酬及び費用弁償の一部を改正する条例」は議員定数を次の選挙から18人を16人にして、議員報酬は今年の10月から議員は35万円を40万円に、副議長は38万円を43万円に、議長は45万円を47万円にするもの。採決の結果、賛成10反対6で採択されました。討論では賛成討論が福田玄議員、反対討論が、井上邦男議員と私でした。なお私の反対討論の要旨は以下のとおりです。また「国民の権利と安心・安全をまもる公務・公共サービスの拡充」を求める陳情書など二件の陳情は採択されました。
「議員定数の削減について反対する第1の理由は、市民のくらしを守る上で、今まさに18名の議員が必要だからです。
いま、市民のくらしは、ますます厳しさを増しています。
一人ぐらしの高齢者も増え、子どもの貧困が広がり、生活に困難をかかえる市民が増えている今日、私たち 18名の議員がそれぞれの地域で、市民のいのちとくらしを支えるために懸命に活動する事がますます求められいます。
2つ目は、市民の中に「議員の数を減らすべき」という声があることについての対応です。
本来、市民の声を代弁するはずの議員を減らせと言う声がなぜあがるのか。それは、議員や政治に対する不満や不信があるからです。
全国各地で、議員の政務活動費の使い方についての不祥事。さらには人間性を疑うような反社会的行為が、市民の怒りや不信を生んでいます。そのような怒りや不信の矛先は私たち浅口市議会議員にも向けられています。そうした中、私たちは自らが決めた、議会基本条例や議員政治倫理条例にのっとり、品位を損なうような行為を慎み、市民の付託にこたえられる議会活動の前進と政策立案能力を高めていき、市民の信頼を得ていくことがまずは大事だと思います。
定数削減に反対する3つめの理由は、議員の定数問題は地方政治における民主主義の基本問題という点からです。
いうまでもなく議会・議員の役割は、憲法の地方自治にもとづく、住民から直接選挙で選ばれた首長と住民の代表である議員で構成する議会との二元代表制の下で、市民の多様な意見をくみあげ、市政と市民をつなぐパイプ役としての役割、また市政をチェックし、執行機関に対する批判、監視役としての役割、そして政策提案・立法の役割があります。
議員定数の削減によって、こうした役割が縮小されることがあってはならないと思います。
以上3点の理由により、議員定数削減に反対いたします。
議員報酬の引き上げについて反対理由を申し上げます。私は議員報酬については、引き上げることに全く反対の立場をとるものではありません。
しかしながら、今回、いきなり議員発議でというやり方の問題、そして引き上げの額などについて、市民の理解が得られるとは到底思えないため反対をします。
現在浅口市議会議員の報酬は月額35万円であり、著しく高いものではありません。この金額では議員は他に仕事を持つ人や片手間に議員をやる人しかできないことになり、議員報酬のみで本気で市民の声を議会に届け、喜びも悲しみも市民と共有して市民の立場で頑張るという議員は少なくなってしまいます。また、子育て中の若い人も議員に出にくくなります。
しかしながら議員報酬の原資は市民の税金でありますから、可能な限り市民の理解を得ることが重要であると思います。議員報酬の引き上げもある面では必要かもしてませんが、いまの日本は、派遣社員の固定化や官制もふくめたワーキングプアこそが問題であり、これを根本的に変えていき社会全体の賃金水準を引き上げることが重要であります。加えて行政をしっかりチェックして徹底的に無駄を省き、市民の暮らしを守るために全力をつくすことが大事だということをお訴えして反対討論とします。」