「地方議会を再生する:相川俊英著」、この本は「役に立たない地方議会」「わが町の議員はだれがなっても同じ」などという市民の声に対して、「住民参加」「首長に妥協しない議会」を旗印に議会改革に着手した長野県飯綱町議会を取り上げている。
この本では、ほとんどの議会が議決の役割をこなしているにすぎず、それも首長提案を丸飲みする「追認機関」となっており、こうした状況について、邪魔されないなどの理由で多くの首長が仕事がしやすいと感じていると指摘。また、北海道の栗山町議会などで始まった議会基本条例を多くの議会で制定していることについては、独自性がなく、実践的でもなく、まるで条例を制定することが目的化しているとも指摘。さらには、所属する政党の日常活動に奔走したり、自らの意見をもたずに所属する会派の決定に黙って従うだけの議員では議員力のアップにつながるはずもないとも言っています。
こうした中で、飯綱町議会では財政破綻寸前の状態に陥ることを議会としてチェックできなかったことを最大の反省として議会改革に着手。議長も務めた議員の強力なリーダーシップのもと、「学習などによる議員力のアップ」「政策サポーター制度のもとでの政策立案能力の向上」「議員間討議の推進」などを成し遂げている。
そのために血のにじむような議員間の議論をしている。
本が指摘しているように、議会改革について議員の中には「忙しくなる」「必要ない」などと思う議員は必ずいる。しかしこれを克服したことはすごいことだと思う。
浅口市議会も「議会基本条例」「議員政治倫理条例」を全会一致で制定している。しかし今の議会で条例の理念が生かされているかといえばとてもそうは思えない。さらに言うと条例を生かそうという議論さえもできない状態が続いているのが現実である。それを克服することはそう簡単なことではないと私は思う。
「地方議会を再生する」を読み終えて!
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